一昨日、7月1日の日本経済新聞夕刊。
一面の見出しを拾いますと。
@ 「(日銀短観)景況感3期連続悪化」。
A 「(08年3年連続)路線価平均10%上昇(都心部は伸び鈍化)」。
B 「ガソリン、180円台に」。
C 「(NY株)6月1288ドル下落(史上2番目の大きさ)」。
日銀短観(6月企業短期経済観測調査)。
「原油高と外需減退が企業心理悪化に拍車をかけている(日本経済新聞2日朝刊)」。
「原材料高を受け企業は販売価格を上げ始めたが、仕入れ価格上昇圧力は更に強い(同上)」。
大企業製造業の業況判断指数(景況感「良い」回答の企業割合から「悪い」割合を引いた値)。
3月調査から6ポイント減なのですが、プラス5に留まる。
つまり「マイナス」ではない。
それでも、4年9月ぶりの低水準なのですが。
「路線価」、全国の標準宅地の平均路線価は前年比3年連続の上昇。
しかも、伸び率が前年度より拡大しました。
「都心部が鈍化」と言われますが、横浜市は07年35.9%で08年38.4%と続伸中。
ただ、「景気足踏みや資材価格高騰」の影響はこれからが本番でしょう。
足元の冷え込む不動産市況は否定しようがない。
「ガソリン180円台」。
庶民の私、自動車の使用を出来る限り避けています。
そして自動車を手放すことも辞さない構えですよ。
日産じゃないけれど、これで車両価格値上がりなら、買い替えなど120%有得ませんね。
2日のNYダウ平均株価、一時140ドル超下落するも終値32.25ドル高で引けました。
日経平均株価、終値170円以上の前日比マイナスでしたが。
日米株価、原油先物相場をにらみながら、値動きの荒い状況が続くでしょう。
5月月次実質GDP。
0.1%増も内需不振で足踏み。
GDPに対する寄与度を見れば、内需マイナス0.5%で外需が0.6%増。
食料品などへの支出が減り、個人消費が弱い。
企業の設備投資は前月比1.5%増と4ヶ月ぶりのプラスだが、依然力強さに欠ける。
さて日銀ですが、4月公表「(経済・物価情勢)展望レポート」に対する中間点検を実施。
2008年景気見通しを「下方修正」する方向で検討中とのこと。
景気「下振れ」、物価「上振れ」のリスクを強調する表現を盛込む模様だ。
民間エコノミストの「景気判断」。
上記の日銀判断より厳しいことが日本経済新聞社実施のアンケートト調査で分かるそうです。
曰く、「既に景気後退局面入り」などなど。
一方、政府関係者の中では。
「堅調」と言えなくもない大企業設備投資(計画含む)。
「底堅い」雇用状況。
「債務・設備・雇用」の3つの過剰を解消してきた企業の足腰の強さを堅持。
「景気全体として大きく崩れていく状況にない」(太田経済財政担当相)との声がきかれる。
一つは、「原油先物相場」の行方です。
「原油高」で日米自動車製造関係企業への打撃がはかり知れない。
「原油高」が他の「商品先物市場」へ影響する。
「原油」に限らず「商品原材料」価格高騰が消費を控えさせる。
「ドル安」の資産目減りをヘッジする「原油・原材料」買いの殺到がバブルの様相を呈する。
「原油高」を是正するため、一刻も早いアメリカ政策金利「利上げ」を主張する議論がある。
また、「原油高」の原因である「先高感」を押しとどめる方策を練るべきとする考え方も。
ご説、ごもっともでありますよ。
しかしアメリカ、そして日本。
「利上げ」がどこまで「景気」を減退させるか、予想すら出来ない有様。
とりわけ日本。
消費天国アメリカと異なり、日本の消費性向は元来慎重。
貯蓄はすれど、工夫を重ねて消費を手控える。
企業が原材料高の「価格転嫁」を進めるほど本邦消費が落込むことアメリカの比でないだろう。
消費の中でも一番に控えるもの。
高価格で「今なくても済む」大型「耐久財」。
車と住宅です。
知合いの自動車ディーラーさんが言ってましたっけ。
住宅ローンで一喜一憂する人生も寂しいのじゃないですかね、と。
でも、自動車の利便や快適と維持費負担の狭間で一喜一憂するのも同様でしょう。
私、住宅ローン研究それ自体が面白く(もはや趣味ですかね)現況をよしとしますが。
そうでなければ、変動金利でなく固定金利を選択しても、一喜一憂の状況が続きますよ。
経済動向の方向感、長期的に考えてすら定まらないですから。
不確定要素が多すぎるワケで、その状況が将来少なくとも劇的に変わるとは考えられない。
自動車はレンタカー。
住宅は借家。
一昔前なら、(長期的な)土地値上がり神話が存在したが。
地方のみならず都市部ですら、価格が天井を打ったとの観測がある2008年7月。
好条件の物件や、高性能自動車。
「賃貸(レンタル)」なら、気軽に何回も楽しむことが出来る。
今後の人生を楽しむ、一つの選択肢であることは確かです。
《 本日のポイント 》
☆ 米ドル安がもたらす「原油・資源高」、特効薬の政策金利「利上げ」は危険極まる劇薬。
☆ 日本の経済動向も、インフレ懸念と景気後退不安で金融政策の手詰り感あまりに強い。
☆ 策が講じられないうちも、原材料高による価格転嫁の物価高が手を緩めない。
☆ 2008年7月、元手と維持費が嵩む耐久財を購入する「借りる」方が断然の得だろう。
いえね、損得でなく「豊かさ」を如何にして享受するかの問題です。
精神の豊かさです。
私も、「持ち家」が夢といってよかったのかもしれない。
初めてマンションを購入したとき、同僚がホメてくれて照れくさかったことを思い出すもの。
住宅金融公庫の3%台の金利も、負担感は大きくはなかった。
収入の右肩上がりを素直に実感していましたから。
10年が経てばインフレ好景気、再来すると思っていた。
民間金融機関の住宅ローン参入間もない頃だったのかなあ。
実家は、若い行員さんの営業訪問で、既にすぐ切り替えていましたがね。
当時の三菱銀行。
団体信用生命保険が魅力と母が言っていたっけ。
今だって、いえ今だからこそ営業努力が必要ですよね。
営業努力で一層の「優遇キャンペーン」を期待しますよ。
でないと、持ち家の考えを改める方が増えるトレンドが生じるのではないかと思う私です。
持ち家の魅力、考えてみれば絶対的なものではない。
新しい家やクルマは欲しいけれど、所有することに拘らない。
そんな人が多くなる気がします。
りそな銀行の「保証料無料」キャンペーン。
他のメガバンクが続かないと。
「保証料無料」の魁である新生銀行そしてソニー銀行。
「金利優遇」をさらに追及しないと。
住信SBIネット銀行なら、事務手数料をもっと抑えてくれないと。
余程のインセンティブがなければ、住宅購入を決める「利」がないと思えてしまうのです。
でも、明日を信じます。
それではまた、お会いしましょう。