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住宅ローンリアル体験レポート2016

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09年2月オバマ景気対策案と住宅ローン

 住宅ローンマスターです。

 底知れぬ悪化の様態を詳らかにする、2009年2月の日本実体経済。

 天下の大企業が大幅減益・赤字決算、そして前例ないリストラ策を陸続と発表。
 同時にそれは、明日への布石。

 在庫を調整し人員を整理してまでも、年後半の回復を準備している。

 今次の金融危機発祥のアメリカをも凌ぐ、本邦足元の経済毀損。

 行方の鍵は、やはり米国経済回復の成否だろう。

 米国オバマ大統領。
 アメリカ株式市場そして世界の外国為替市場の期待を集めた、経済政策。

 すなわち、景気対策法案と金融安定化策。

 景気対策法案は、減税と公共投資を中心とする財政政策。
 金融安定化策は不良資産買取や公的資金注入など金融システム正常化対策です。

 ☆ 景気対策法案。

 2009年2月11日。
 米景気対策法案を上下両院、法案一本化で基本合意。

 そもそも、米オバマ新大統領が「当初案」を示したのが、就任直後の1月8日。
 オバマ案、7750億ドル規模でした。

 それを受けた下院民主党1月15日発表の「法案概要」、規模8250億ドル。
 そして下院本会議で1月28日可決の規模、8190億ドル。

 一方、上院委員会1月27日の可決案が8870億ドルへ膨らむ。

 が、2月10日上院本会議で可決した案で、8380億ドルとやや縮小。

 かくして。
 下院可決案8190億ドル。
 上院可決案8380億ドル。

 アメリカ議会。
 下院も上院も民主党が多数勢力ですが。
 上院は「圧倒的」多数でなく、共和党勢力が一致まとまればフィリバスター。
 つまり「議事妨害」が可能となり、(民主党)上院案が成立しなくなる。

 上院法案成立の安定多数獲得には共和党の少なくとも2名が必要、となるわけ。

 一方、日本では「ねじれ国会」。
 自民党が多数を占める衆議院と民主多数の参議院。

 その「ねじれた」国会参議院と衆議院で異なる結論の出た「定額給付金」問題。
 参議院で否決された「定額給付金」を麻生首相、衆議院での再可決を目論むが。
 日本国憲法が規定する「衆議院の(参議院に対する)優位」。
 「衆議院での再審議3分の2以上の可決で参議院採決を覆す」とあるから。

 日本国と違い、アメリカ合衆国。
 上院と下院で異なる案が可決されれば、両院協議会で審議調整する。

 今回のオマバ景気対策案。
 「額」や「内容」の異なる上院案と下院案が協議される。
 歴史的には、上院案がより有利な展開となるとも言われる両院協議会だが。

 16日以内の成立のため、「包括的金融安定化策」発表を遅らせた経緯もある。
 オバマ大統領自らも関わった「景気対策案」の両院協議会「修正協議」です。

 《規模》 
   上院案:8380億ドル。
   下院案:8190億ドル。
 《重視内容》
   上院案:減税(住宅取得者減税拡大・自動車ローン減税導入)。
   下院案:歳出増(公共事業・教育関連・失業者医療保険など)。
 《調整の争点》 
   @ 財政規模。
   A 「減税」と「歳出増」との折り合い。
   B 「バイアメリカン」条項。

 @ 財政規模。
 共和党から上院案支持に回った3名中の一人、コリンズ上院議員。
 コリンズ氏の主張が強硬に「8千億規模以上になるなら支持を撤回する」。

 共和党2名以上が民主党案に回らなければ、上院案として体をなさない。
 フィルバスター(議事妨害)が可能となるからです。
 そんな民主党の台所事情。
 共和党コリンズ上院議員の強気の発言が決定力をもつ。

 A 減税か歳出増か。
 オバマ政権としては、何としても成立させたい景気対策案。
 だから、調整第一。
 譲るところは、譲る。

 という訳で、減税額も歳出規模も下院(民主)案と上院(共和的)案との折衷。

 B 下院の「バイアメリカン条項」。
 鉄鋼を対象に公共事業での米国製品使用を義務付けるもの。
 つまりが「保護主義」条項。

 上院でさらに「(鉄鋼から)工業製品全般」へと対象が拡大。
 保護主義的政策反対のオバマ大統領の意向もあり「貿易協定を順守」を追加。

 さて、調整の結果や如何。
 《「米景気対策案」両院基本合意(2月11日)の内容》

 @ 財政支出規模。
 (8千億ドル以下の)総額7890億ドル。
 米GDP(名目国内総生産)比5.5%規模。

 A 支出内容。
 歳出増が5100億ドル弱。
 (インフラ整備で1500億ドル、教育訓練などで1000億ドルなど)。
 残り約2800億ドルが、減税。
 下院案での「減税」割合が3割、上院案では4割。
 基本合意案が結局、中間をとって約3.55割(35.5%)となりました。

 B バイアメリカン条項。
 上院案が残る。
 削除、とはいかなかった。

 総額7890億ドル。
 ポールソン前財務長官がまとめた「金融安定化策」の規模8000億ドル並。

 ポールソン金融安定化策。
 当初は「不良債権処理」名目だったが、いつしか「公的資金注入」へ。
 金融安定化どころか、金融経済状況は更なる悪化を続けました。

 前政権の経済対策と言えば。
 ブッシュ大統領肝いりの「所得税還付」で始まった。
 昨年2008年2月成立して5月実施されたが、何らの効果が見られたろうか。


 今回合意に至った「景気対策法案」。
 オバマ大統領は、350万人の雇用を見込んでいます。

 「小さな政府」つまり「干渉しない政府」を是とする共和党。
 「自由競争」を良しとするから、政府当局が雇用を生み出すことに懐疑的。
 「雇用」も民間企業の「競争」から生まれるべし、と。

 その共和党も、オバマ人気と真っ向勝負する気はない。
 大統領の「個人攻撃」は避け「大きな政府」信奉の「民主党政策」を攻撃する。

 しかし、さすがオバマ大統領。
 共和党と民主党、「党派の違い」が生む泥仕合を回避すべく。
 党是に縛られない「超党派」の政策運営を常に画策するのだが。

 オバマ大統領が商務長官に指名していた共和党グレッグ氏。
 上院で「景気対策法案」決議を棄権したグレッグ氏が政策の違いを理由に辞退。

 オバマ大統領、現実の厳しさを知らされた格好です。

 「財政出動」させて減税と公共投資を実施する「景気対策法案」。
 減税も公共投資も。
 いわば「金」をバラ撒くだけですから、効果の長続きは期待出来ない。

 それでも。
 2009年2月現在、「経済恐慌」といっていい事態が世界進行中。
 公共投資は「仕事=雇用」を生み出すから、その経済効果は高い。

 しかし、中間所得層への減税。
 有難くとも、中間層。
 「将来への不安」が拭えないかぎり、減税分は貯蓄に回るだけだろう。

 つまり、1930年代の「世界恐慌」を振返るまでもなく。
 現在の危機下では、共和党。
 「減税」主体、「公共事業」等での財政出動を否定する「小さな政府」政策。
 その実効性は極めて少ないと言わざるを得ない。

 その共和党の意も汲みながらでも、景気対策案。
 大統領の目標とした16日以内の成立が見えたのは、立派だろう。
 「中途半端」な面があろうと、時間がズレ込めばそれだけ事態悪化が進行する。
 既に「取り返しのつかない」状況にまで至っている世界経済ですから。

 日本の住宅ローン。

 アメリカそして世界各国の長期金利が高止まりしている状況下に拘らず。
 本邦住宅ローン金利は、世界水準からして信じ難い程度に低下を続ける。

 住宅ローン長期金利の指標となる十年物国債。

 主要国の十年物国債長期金利(2009年2月6日終値:日本経済新聞より)。
 米国:2.98%。
 英国:3.74%。
 ドイツ:3.38%。
 フランス:3.79%。
 日本:1.34%。
 アメリカの長期金利も高いが、欧州の方が上回ることが危機状況の認識を反映。

 昨年12月からの上昇率。
 米国:+0.76%。
 英国:+0.72%。
 ドイツ:+0.43%。
 フランス:+0.38%。
 日本:+0.17%。
 アメリカ、景気対策や金融安定化策への財政負担を見越して、金利の急上昇。

 米住宅ローン金利の負担も、「方策」を講じなければ増大するばかりだろう。

 ちなみに、日本の十年物国債金利(利回り)。
 2月13日の終値、1.260%。
 米国十年物国債同終値は2.90%。

 比較するまでもなく、彼我の差は相変わらず多大です。

 一体、アメリカやドイツなど米欧主要国の国債。
 日本国債より、「格付け」が上なのですがね。
 どうなっているのやら、現実を全然反映していない。
 日本だけが、「独歩安」なのですから。

 世界的に見ても、信じられない低さの我が国住宅ローン金利です。

 アメリカ人の友人に話しても、信じて貰えませんでしたよ。

 2009年2月適用の住宅ローン。
 当初10年固定金利が、みずほ銀行1.70%(「借換え」のみ)。
 同、三菱UFJ信託銀行1.75%。

 住宅ローン変動金利。
 住友信託銀行「全期間マイナス1.4%優遇」で1.075%。
 りそな銀行、同様に1.075%。

 諸外国から見れば、夢にも見れない住宅ローン金利です。

 しかし、今後日本そして世界の経済状況。
 全く予断を許しません。


  《 本日のポイント 》

 ☆ 2月11日、米オバマ「景気対策法案」上下両院基本合意成立。

 ☆ 「景気対策法案」財政規模8千億円以下、減税規模は上下院案の折衷。

 ☆ 共和党、あくまで「公共事業」の財政支出に反対して、減税に拘る様相。

 ☆ 多大な「財政支出」が見込まれる米政府、米国債の信用低下で金利急上昇。

 ☆ 住宅ローン、日本の金利水準は世界的に「固定」も「変動」も最低レベル。


 米政府の推計で、金融危機と実体経済失速で米経済は年1兆ドルの需要不足。
 今回、合意の景気対策法案。
 数年にかけて実施されるものもあり、需要不足全部をカバーすることは無理だ。
 しかし、年後半から下支え効果が徐々であれ、現われるだろう。

 その条件は、もう一つの経済回復処方箋。
 ガイトナー財務長官を中心に鋭意調整している「包括的金融安定化策」。

 「景気対策法案」が財政政策。
 「包括的金融安定化策」が金融政策。

 両輪が揃い、やっと経済立て直しが軌道に乗る。

 それにしても日本の政局、自民と民主の政争とも似てアメリカ民主党と共和党。

 小泉首相下の民主党と酷似する、米民主党オバマ政権での共和党。

 大統領に向かわぬ批判が、却って依怙地に民主党へ向かう。
 民主党と共和党の「超党的」な調整が不可欠の状況で強力な指導力が必要だ。
 オバマ大統領。
 その人気(世論支持)と実力(政治指導力)。
 加えて、党の利害を超えた議員の協力(政治運営)なくして経済の回復はない。

 「完全な法案など有得ない」と言い切り合意をまとめたオバマ大統領。
 その「実力」で、重大な政局を一つ乗越え経済回復への第1歩を進めた。

 次のさらなる難題が「金融安定化策」。
 「包括的な」ものでなければ意味がないことは、万人が承知している。

 しかし「包括的」なだけに、莫大な財政支出が必要となる。

 2月9日、週明け早々の予定を延期して10日に発表された「金融安定化策」。

 NY株式市場は、大きな失望と不信感を持って反応。
 今年一番の株価下落となった。

 次回、「包括的金融安定化策」を考えたいと思います。

 それではまた、お会いしましょう。
 



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