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住宅ローンリアル体験レポート2016

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2010への住宅ローン米国金融状況概説

 住宅ローンマスターです。

 気付いてみれば、12月も23日。
 祝日の空は晴れ渡るばかり。
 来る年の空模様も、かくあればと願うばかり。

 旧聞に属しますが、15日。
 日米欧の金融監督当局で構成するバーゼル銀行監督委員会。
 大手銀行を対象とする「新自己資本規制」導入の延期を決定しました。

 これ、我が国の金融機関全体にとって、大きな意味を持ちます。
 バーゼル委員会が対象とするのが、国際的に営業する金融機関(銀行)。
 貸出し金や有価証券など回収リスクのある資産。
 そんなリスク資産に対し、自己資本を一定以上保つことを義務付けている。
 その自己資本比率が、現在8%。
 その比率を引上げようというのが、「新自己資本規制」です。

 もちろん、2008年秋以降の世界金融恐慌を受けての「新自己資本規制」。
 金融機関が二度と「安易な」取引慣行に流れないようとの規制です。

 バーゼル銀行監督委員会の「新自己資本規制」。
 @ 自己資本比率8%からの引き上げ。
 A 「自己資本」の中でも質の高い「コア資本」の最低比率を設定する。
 以上の2点を柱とするもの。

 「コア(中核的)資本」とは普通株と内部留保(蓄えた利益)を指します。
 優先株など、「利払い」が必要で収益を圧迫するものは含まない。

 この「新自己資本規制」の動きも睨みながら、邦銀大手メガバンク。
 三菱東京UFJ銀行始め3行、普通株発行による増資を相次いで発表。
 金融株、軒並みの株価下落圧力となった。
 普通株が増えれば、その分だけ1株あたりの利益は薄くなりますからね。

 これまでの「自己資本規制」。
 国際的営業銀行に対する自己資本比率が8%。
 国内行のそれは、4%。

 邦銀の自己資本比率。
 「新自己資本規制」が導入されなくとも欧米銀と比して自己資本比率が低い。
 だから、「焦る」気持ちも分かる。

 そんな状況のなかで、「新自己資本規制」導入の「延期」がきめられた。
 正確に言えば、これ「実質的な」延期です。
 つまり、2012年から段階的に導入するとの原則は崩さない。
 ただ2020年代前半以降の完全実施に向けて10年以上の移行期間を設定。
 それで、「実質的」には延期、という訳です。

 「自己資本」に自信のある米英側は早期完全実施を求めたようだが。
 日独仏が反対。
 結局、バーゼル委員会としては「世界経済の安定」を優先する形で落着いた。

 まあ、ね。
 「規則」の縛りについては、10年以上の猶予を与えられたというのですが。
 国際金融は、常に熾烈な競争。
 「規則」でなくても、米英銀の「厚い」とされる自己資本比率。
 日欧の金融機関へ与える影響は大きい。

 2010年。
 いづれにしても、大手邦銀の増資は免れない流れだと見るべきか。


 2009年から2010年への金融機関。
 中国など「新興国」台頭がいかに顕著であれ、金融の「中心」は依然アメリカ。

 金融に限らず世界の市場に対する影響力が違う。

 米国の大手銀行ですが、12月14日。
 シティグループとウェルズ・ファーゴが、公的資金返済計画をそれぞれ発表。
 これで、米金融機関大手6社が、公的資金完済計画を発表したことになる。

  @ 既に6月完済。
   JPモルガン・チェース:公的資金250億ドル。
   ゴールドマン・サックス:   同100億ドル。
   モルガン・スタンレー:    同100億ドル。
  A 12月完済予定。
   バンク・オブ・アメリカ:   同450億ドル。
   ウェルズ・ファーゴ:     同250億ドル。
  B 2010年後半完済予定。
   シティグループ:       同450億ドル。

 公的資金注入を受けた米金融機関がその「返済」を急ぐ理由は、主に2つ。 
  1)優先株での公的資金、その配当負担を解消するため。
 普通株と異なり優先株。
 議決権がない代わり、「割高な」配当を支払う義務がある。
 つまり多量の優先株には、多額の配当が付き纏う。
  2)公的資金を返済しないと、経営に対する政府の干渉を受けることになる。
 公的資金すなわち、税金。経営に関して米国民の厳しい目が光る。
 特に経営陣への高額報酬については国民感情を鑑み、政府の規制が必至となる。

 一般的に、米金融機関。
 市場の回復に伴い、「投資部門」の収益が高い。
 JPモルガンやゴールドマンそしてモルガン・スタンレーも例外ではない。

 一方、商業銀行。
 バンク・オブ・アメリカは7月〜9月決算で赤字。
 シティも「本業」での苦しさが続く。
 住宅ローンなど個人向け貸出しの焦付きが巨額損失を生み出している状況です。

 失業などにより家計が改善しないのだから、個人向けローンも厳しい訳だ。
 ローン焦付きが新たな貸渋りを生むという、状況悪化の連鎖。

 米政府からすれば。
 金融機関の手持ち資金が行き場を求めて国債購入に向かうという「痛し痒し」。

 そんな状況下での、公的資金完済計画。
 政府の台所事情からみれば、有難い。
 巷間指摘される景気二番底対応などへの準備資金、それが尽きかけている。
 金融機関の優先株解消(政府への売却)で、多額の資金を得られることになる。

 所詮、といってしまえば身も蓋もないが、米の民間金融機関。
 高額収入を当てにして人材が集まる。
 経営幹部ともなれば日本では普通考えられない百万ドル(億円)以上の年収。
 「人材」を得るためには高額な収入提示が不可欠だという金融界の風土がある。

 盛んに「高額報酬」規制が論じられている欧州と、まさに好対照だ。
 好対照と言えば。
 英では、大手金融機関2行への追加資金注入が11月発表されたばかり。

 翻って日本では、バブル崩壊後の1990年代後半。
 不良債権処理に喘ぐ大手金融機関へ公的資金が注入された。
 当時の東京三菱銀行が最初に返済したのが、2年を経てからだった。
 一部大手行は2009年末現在をもって、いまだ完済は叶っていない。


 今回2009年12月の米大手民間金融機関による公的資金完済(計画)。
 市場の受け止め方も、政府の見方も一通りではない。
 賛否両論。 

 「財務健全性」から見れば、拙速の公的資金返済は株価下落要因となる。
 シティグループやバンク・オブ・アメリカ。
 政府による不良資産肩代わり契約も打ち切りを決定。
 それに伴い、1千億ドル超の資産を財務諸表へ再計上。
 リスク資産のありようが明らかになるわけだ。

 それまでして政府の管理を逃れたいのか、アメリカ大手金融機関。
 しかし、独立を尊ぶアメリカ的と言えば、アメリカ的な行動様式。

 2010年へ向けて、米経済。
 経済指標は一進一退を繰返すでしょう。

 FRBなど金融当局の対応は、本格的な「危機からの出口」戦略モードへ。
 日銀が12月初旬「量的緩和的」1兆円規模特別資金供給オペを決定した頃。
 アメリカは、「出口戦略」に踏込んだとも言える。

 FRB、11月期限の住宅取得特別減税を4月まで延長したが。
 16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)。
 危機対応の短期資金供給制度の大部分を予定通り来年2月で打ち切ると決定。

 一連の米金融当局の「出口戦略」そして「景気改善」表明。
 市場、とくに為替市場が敏感に反応。
 つい先日、対円で84円台まで落ちたドルが上昇、いや高騰。
 12月23日現在、91円台の後半での推移です。
 大幅とはいかないまでもNY株式市場も続伸基調。

 シカゴ連銀エバンス総裁は22日。
 米「ゼロ金利政策」について、2010年春までの現状維持可能性を示唆。
 逆に言えば、2010年春先の米政策金利「利上げ」可能性、の示唆。

 日本の住宅ローン金利を考える上でも、情勢が動いてきたという感触です。
 日本の場合、デフレーションが米欧と比較して深刻。
 よって、日銀の利上げ時期。
 デフレの分だけ、アメリカ「ゼロ金利政策」解除より遅れるだろう。

 それにしても、海の向こうの金融当局。
 新たな局面へと舵を切りつつあります。
 日本の景気そして住宅ローンは何処へ向かうのか。

 それではまた、お会いしましょう。
  



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