2010年。
あれれっと、気づけば5月目前の4月下旬。
本日、大型連休初日の4月29日(木曜日)。
予報どおり、、横浜地方は快晴。
にわか雨にも見舞われず。
欧米、そして世界の金融経済。
「世界天気図」は、決して「雨のち快晴」とはいかないようで。
「吹きすさぶ嵐」の後、雨交じりの曇天模様。
中国やインドなど「新興国」は一気のV 字回復、旺盛な需要と生産。
その空、兆し明るく世界を照らすかにも見えるが。
しかして、2010年4月最終週。
米そして欧米での、燻る金融問題が5月へ向けて再燃か。
アメリカ。
米証券取引委員会(SEC)が、米金融大手ゴールドマン・サックスを提訴。
《 米上院公聴会、ゴールドマン・サックスを追求》
米証券取引委員会(SEC)は、同金融大手ゴールドマン・サックスを提訴。
それを受けて、4月27日。
米上院は公聴会を開き、ゴールドマン幹部7人を証人として喚問。
矢のような厳しい質問を浴びせるも、ゴールドマン。
経済教科書の記述のような「模範的」説明で応酬。
ゴールドマン・サックス社員。
顧客へ勧める証券組成商品を、内部メールでは「クズ」や「ゴミ」呼ばわり。
そこを追求されると、同社最高財務責任者(CFO)デビッド・ビニア氏。
一瞬言葉を失ったそうですがね。
しかして、ゴミ・クズ問題の根本にあるのは、商取引上の「不正」疑惑です。
すなわち。
@ 住宅ローン債務組成証券商品を販売する一方、市場ではそれを「売り」。
つまり、顧客へ債務担保証券(CDO)を売り利益を上げるだけでなく。
債務証券市場では、なんとそのCDOを売り抜ける。
住宅市場の下落と住宅ローン市場崩壊で、巨万の利ざやを得たとされる。
顧客を「ダマす」ことで、二重の利益を得たことになります。
A @の住宅ローン債務証券「売り抜け」について、顧客へ説明を怠った。
まあ、「売り抜け」行為の説明があれば、誰も買いませんわな。
資産が、まさに紙クズとなる商品だもの。
住宅ローン問題の嚆矢(さきがけ)となったのが、米サブプライムローン。
2007年後半には、住宅サブプライムローンの問題は公になっていたが。
まさか、「大切な」顧客へ販売する住宅ローン組成証券商品。
「サブプライム」から「プライム(優良)」住宅ローンまで。
優劣様々なローンを組み込めるから、無限大のバラエティー(種類)を提供。
顧客としては、ローリスクからハイリスクギャンブル商品まで豊富な選択肢。
そんな住宅ローン組成証券を、住宅ローン市場崩壊を知りながら売り抜ける。
ゴールドマン・サックスの罪や重し。
と、私も感じるのですが、米金融業界。
上記公聴会での「答弁」をチェックしても、反省の色なし。
あたかも、「罪」を自らに帰さずして「時代のせい」と言わんばかりの勢い。
「当時は業界全体の与信規制が緩かった」などと、涼しい顔のゴールドマン。
日本のたとえば、野村證券などと異なり、米金融大手各社。
リーマン以前に戻るかの、好業績高収益を既に確保。
欧州での「金融業界多額報酬規制」など、どこ吹く風。
アメリカ金融界では、早くも天に昇るかの「高額報酬」が復活。
米ウォール街、あたかも平時モードの活況ぶりですよ。
2010年の住宅ローン。
早くも、5月を占う時期が来ました。
前回日銀短観によれば、日本の景気見通しは若干上方修正。
トヨタを始めとした自動車、そして東芝など電機、エルピーダの半導体。
総じて、日本企業の決算も黒字を回復。
景気全体が、「緩やかな」上昇を始めたかのようだ。
韓国や中国、そしてブラジル鉄鋼など。
「新興国」大手企業収益と比べれば、大いに遜色がある日本企業群ですが。
それでも一方。
大京など、マンション販売大手とて回復基調。
住宅市況も底を打って反転の兆しあり。
首都圏基準地価も次回、いよいよ回復を示すのかも知れない。
しかし。
日本(経済)が構造的に抱えるのが、@国債などの国家債務残高。
国民の少子高齢化による、A国家財政負担増。
@そしてAを手立てするための、B増税問題。
期待された政権交代で誕生した現政権。
@〜Bのすべてにおいて、「逆行」する動きを進めて止まない。
普天間基地問題の迷走は、期せずして現政権の「逆行」と重なる。
すなわち、国民の不利益と混乱を象徴しています。
因みに、アメリカではね。
ダウ工業株30種平均株価は、リーマンショック以前に戻りかけているが。
それでも、10年前とほぼ同水準。
ハイテク株中心の米ナスダック総合株価指数など、10年前の約半値水準。
米国をもってしても、「失われた10年」か。
振返れば、2001年。
米「ITバブル」崩壊は、日本株新興市場にも及び同市場株価暴落。
そして、2008年。
今次の「世界金融恐慌」を生む「米住宅バブル」が崩壊。
住宅サブプライムローン問題が、世界金融経済へ波及した。
「新興国」中国の住宅市場も、もはや「投機的」水準。
経済の国家統制も、もはや手が及ばないのではないかとの懸念が日々増大中だ。
米金融、中国不動産、欧州ギリシャ南欧財政。
共通するのが、「投機」。
ローンなど債務証券化商品と、金融派生商品(デリバティブ)。
それら現代金融工学のクオンツ(天才児)たちが生み出した鬼子が投機を肥大。
いや、規模の「肥大」では済まない。
金融の「投機行動」における、「質」と「構造」の変革を生んだ。
そんな、もはや「手の付けられない」投機活動。
金融危機からの回復途上にある世界経済をいまだ蝕む構図、変わらず。
2010年。
世界金融経済、喫緊の課題であるはずの「金融規制」と「国家財政危機回避」。
それが、解決叶わずまま停滞する現況。
世論調査の米ギャラップ社。
最近の調査では、米国中程度以上の所得層で6割以上が金融規制に賛成とか。
規制を嫌う米国民も、金融業界の暴走には堪忍袋の緒が切れたか。
ゴールドマン・サックスと米当局との攻防は、端緒についたばかりです。
規制の手が、どこまで及ぶことになるのか。
いや、それより金融規制。
投機的手法やその選好マインドなど、それをどの程度揺り戻せるのか。
いやいや、「根本的に」過去へ戻ることは出来ませんよ。
一旦生まれた金融手法だけでなく。
金融工学が存在して市場へ影響をもつ限り、その生み出す手法は消えず。
そして、「本質的に」投機的手法にならざるを得ません。
それが「証明」されたのが、今次の世界金融危機。
金融リスクを回避(ヘッジ)するための手法。
それが精緻で巧妙なものであればあるほど、広く深く瀰漫しますから。
それ自体は、何ら違法でもなく、不法とも言えないでしょう。
斯様に、高度で「危険を孕む」手法を駆使せざるを得ない金融業界。
その「信用回復」への道など、そもそも有得るものなのか。
そして、一方。
世界が大小「バブル」で浮沈を繰返す中で、日本の先行きは依然見えず。
現状では、浮沈どころか確実に日本は「沈没」する。
そんな論調を、私も否定したいところですが。
いやはや。
住宅ローンのことだけ、考えようとするとね。
逆に、日本のそして世界の景気と経済を考えざるを得なくなるのですよ。
大言壮語しても始まらないのは、百も承知しているつもりなのですが。
2010年。
少なくとも、2010年のうちは、日銀利上げはないでしょう。
米国すら、バーナンキFRB議長。
「超低金利政策継続」、トーンに変動あれど言葉に大きく変化なし。
年内、米政策金利の利上げ、その可能性も見えなくなりつつある。
全く、混迷を増す2010年の前半期ですよ。
それではまた、お会いしましょう。